人間には有益でも、犬にとってはとても危険な成分のテオブロミン。
テオブロミン(theobromin)とは、カカオに含まれ苦味成分で、カフェインやテオフィリンの仲間の物質です。
カフェインはコーヒー、紅茶なども含まれ、テオフィリンは紅茶に多く含まれています。
「テオブロミン」という名の由来は、神様の食べ物を意味する「テオブロマ・カカオ(theobroma cacao)」です。
テオブロミンの独特な甘い香りには、集中力や記憶力を高めたり、精神をリラックスさせ、幸福感を与える効果が期待できます。
人間には有益な働きをするテオブロミンですが、犬にとっては中毒症状を引き起こす成分です。
チョコレートは絶対に犬には与えてはいけない食べ物の一つで、ココアなども同じ中毒症状が現れます。
チョコレートを摂取して1~12時間以内に、嘔吐やけいれんなどの中毒症状を起こします。
体重10kgの犬であれば、ブラックの板チョコ1枚で発症します。
小型犬では少量でも有害で、カカオ含有量の高いチョコレートほど犬にとっては危険です。
人間にとっては大丈夫ですが、テオブロミンは犬が代謝するのに時間がかかります。
そのため、犬にとってはこの中毒が発生しやすくなります。
ちなみに、人にとっては一般的でも、犬には有毒という食物は多くあります。
チョコレート以外には、ネギ類、マカデミアナッツやレーズンなども、犬にとっては有害な食べ物です。
症状が出るまでの量や、致死量は個体差があります。
症状が出ない犬もいれば、わずかな量でも症状が出る犬もいます。
犬用のチョコレートというは、チョコレート味を付けたもので、「チョコレート」ではありません。
カカオや砂糖の代わりにキャロブを使ったケーキ風のお菓子などがあります。
キャロブは、マメ科の植物で、その果肉や種子はチョコレートに似た風味があります。