コンチングはチョコレート四発明の一つから生まれた製法。
コンチング(精錬)とは、チョコレートの製造工程の一つで、微粒化したチョコレートを長い時間をかけて練り続ける作業です。
チョコレートを仕上げていく上で最も重要な作業だといわれています。
練ることで温度が上がり、余分なカカオの匂いや水分が蒸発して、カカオバターなどの原料がよく混ざり合うようになります。
コンチングによって、チョコレートのなめらかな口溶けと香りは引き出されます。
コンチングにかける時間はメーカーやショコラティエによって異なります。
2~3時間の場合もあれば、数日かけるところもあります。
コンチングの時間や温度によって、チョコレートのなめらかさや風味が左右されます。
コンチングする撹拌機はコンチェ、あるいはコンチングマシンと呼ばれます。
コンチェという名前は、初期の機械が巻貝(コンチェ)のような形をしていたからだといわれています。
また、ローラーが前後に滑るところが二枚貝の貝殻の形に似ているところに由来するという説もあります。
コンチングは、1879年にロドルフ・リンツにより発明された製法です。
この発明によって、それまでは舌触りがざらついていたチョコレートがなめらかなものへと進化しました。
チョコレートの独特ななめらかさには、科学的な理由があります。
チョコレートの粒子は、約20ミクロン(1mmの1/50)です。
この大きさは、人間の舌が感じられるザラつきの最小単位だといわれています。
磨砕作業を繰り返すことで、チョコレートの粒子1g当りの表面積の合計は1㎡にもなります。